ZOZOの前澤友作氏「不要論」約2400億円は巨額な手切れ金か

 ソフトバンク傘下のヤフーが、インターネット衣料通販大手ZOZO(ゾゾ)の買収を発表した12日、記者会見で明かされたのは、同日付でゾゾ社長を退任した前澤友作氏(43)の「不要論」だった。保有株を金融機関の担保に入れていた創業者の前澤氏にとって、ヤフーへの身売りで手に入る約2400億円は巨額な“手切れ金”となった。

 「今後のゾゾはトップダウンから、社員一人一人の力を生かす経営に移行する」

 この日、ゾゾの新社長に就任した沢田宏太郎氏(48)は、これまでの経営とは真逆に向かうことを前澤氏の面前ではっきりと述べた。

 前澤氏自身もワンマン経営だったことを認め、「ボクの経営手法は感性に基づいていた。時には読み違えたりし、失敗を犯したり、反省している」と振り返った。

 ゾゾはこれまで、体形やサイズを計測する「ゾゾスーツ」や、会員割引サービスなど、常に時代の一歩先を歩んできたが、アイデアに技術が追いつかなかったり、顧客や出店ブランドからの理解が得られなかったりして、批判にさらされることも少なくなかった。


9月12日木曜日にTOB発表して株価が大きく動いたZOZOですが、ヤフーに買収されてソフトバンクグループになります。前澤氏は持ち株の30%をTOB応募し、推測2400億円を得て、まさに売り逃げ成功する流れになります。

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6月の株主総会で「80歳ぐらいまでこの会社で働こうと思っているため後継者は考えていません」と発言していた前澤社長ですが、まさかの手のひらがえしで、こうしたシナリオは予想していませんでした。

某掲示板に鋭い書き込みがありましたが、この辞任劇&孫氏の演出は懐の広さを感じ、今後、ZOZOにとってもヤフーにとってもお互いにメリットがある買収だと感じています。

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ちなみに当方は、ZOZO株ショートで儲けようと2月から動いてポジション構築していましたが、株担保が減少し、チャートが強い形に変化し、トレンド転換の危険を感じたため撤退。デイトレ目的でロングポジションに持ち替えていました。

【前々回】急騰するZOZO株とゴールデンクロス?


今後のシナリオを予想してみますが、大きく2つに分かれます。

1.TOBが成立、2620円で10月中旬に33%以上買取し、ヤフーの連結子会社へ(確率95%)
2.TOBが不成立、ZOZO株の33%以上をヤフーは取得できず(確率5%)


1.TOBが成立するケース&株価推移予想

ここまで孫社長登場するような辞任劇を演出した以上、細かく根回しして成立したTOBだと思います。

この規模のアパレルオンラインを買う必要がある会社がSBG以外にあるとは思えないので、95%このTOBは成立すると思います。

しかし、そういうことは今のZOZO株2450円前後は買えば個人は儲かるのでしょうか?

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これ、ZOZOの2日間のチャートですが、TOB発表後、2570円になったあと、そこからじわじわ切り下げるディセンディングトライアングルになっており、ビットコインチャートで頻発する形です。

この形は80%以上今後の下落を示唆するケースになるため、危険を感じました。

筆者は2080円前後でZOZO株を買っていたため、すでに優位性あるポジションであったため、12日の株価の動きを見てすべて売りました。

2620円で売れない可能性を織り込みだしている嫌な予感がしたからです。

なぜTOBで2620円で買い取ってくれるZOZO株が今、2450円なのでしょう?

それはつまり、TOB応募しても買い取ってもらえないリスクを織り込んでいます。

色々と調べましたが、前澤氏の応募する30%が全て買取ではありません。応募が殺到すると、最低で20%しか買ってもらえない可能性があります。

しかし前澤氏には借金があり、よく調べるとTOB成立15営業日以内に担保解除&返済が決定されていることが分かりました。つまりTOBで売り切れなかった前澤株はTOB終了と同時に成り行き売りで強制的な売りがありえ、それが強い売り圧力になることが考えられるからです。

このタイミングでTOBというのは前澤氏にとってもギリギリの最後のチャンスだったと言えます。

今ではないと売れない。孫さんが武士の情けで20%ほどのプレミアまで付けて買い取ってくれる。

通常TOBは30%ほどのプレミアが相場だと思いますが、今回は低い。それはTOB終了すると2620円からの適正価格×30%=2620円と計算すると、適正価格2000円ぐらいまでZOZOが下落する可能性を織り込んで付けた価格だとしか思えません。

仮にTOB後、そこまで暴落しても、ヤフーの含み損は最大で1000億程度は見込んでいるかと。それでも年間200億は利益を出すZOZOを支配でき、膨大な個人情報をGETできるので、ZOZO株がTOB後暴落しても十分メリットがあると考えている気がします。

結論を申し上げますと、今は大手の機関投資家などがTOBリスクを織り込んで売りを開始していると考えられます。

個人は2620円で買い取ってくれる可能性が高いと考えて、安いから飛びついており、しかしTOBで半分しか買いとってもらえずその他は暴落後に売るしかなくなり、2440円買い+2620円で売り、残りは2440円買いの最低2000円売りになるかもしれない。

それゆえ、TOBが成立することを考え、今のチャートや状況を総合的に判断しても、2620円で売れるのは大株主が一番優位性があり、弱小個人が今ZOZO株を買うのはリスク高いので様子見が一番かと考えています。


2.TOBが不成立、ZOZO株の33%以上をヤフーは取得できず(確率5%)


TOBは完全子会社を目的としておらず、連結子会社なので、上限50%なので、33%取れればOK
すると、応募が集まらないとこのTOBは成立しません。

しかし30%応募する予定の前澤氏がいるし、2620円は今の状況を考えると最高の売値のため、応募は殺到すると考えられます。

他、ホワイトナイトが登場することや、何かしらの不祥事の発覚でTOBが不成立・中止になるリスクを考えてみました。

・応募数足りず不成立→前澤以外から3%は簡単に集まるだろう
・ホワイトナイトが登場して価格つり上げ→めぼしい企業なし
・スキャンダル、インサイダー取引発生等犯罪事件発生で中止→8月下旬から日経225低迷の中で逆行高していたので可能性あり
・世界的金融危機が発生し、ヤフー側から中止を余儀なくされる→可能性はあるが、分かりません

上記のようなシナリオを考えてみました。

正直、どれも可能性はかなり低い気がします。

これだけ辞任劇をやったということは根回し万全に思うからです。

ただ会見でも前澤氏は「借金を理由に売るわけでは絶対にありません」と主張していたように、彼は相当な嘘つきであり、手八丁口八丁で成り上がった人物です。

会見でのヤフーとのTOBの成立の時間軸をいうことを控えていましたが、これは恐らく、かなり前から話をしていた案件だと思います。

しかし総会では「自分の辞任は絶対にない」ような発言で、総会もZOZOMATも1Qの好決算もお化粧して前澤劇場を展開していたのは、TOB前に少しでも株価を釣り上げる施策だっと思います。

一部上場企業の社長が権限を最大限利用して株価を操縦していた相場操縦にも該当しうる行為にも思え、8月の株価の動きは変だったこともあり、何かしらスキャンダルもあり得る気はしています。

ただ95%このまま売り逃げできると思います。

他にもTOBまでに世界的経済危機が発生すると、こうした事象にも影響を与えるかもしれません。

普通は考えにくいですが、昨今は予想外な出来事が多々発生するので、一応、こうした負のシナリオも頭に入れてみました。

結論ですが、今後TOBをめぐってZOZO株はマネーゲームのような動きになると思います。

売り禁になってしまった以上、最大の勝ち組は12日の午前に逆張りで空売りポジションを作った人々になると考えているため、ここから買ってTOBで儲けるという発想は大衆世論の意見になり、養分にされる嫌な予感がしたため当方はもうしばらく触ることはないという次第です。

※以上、考えをまとめましたが、間違っている箇所が多々ある予感がしているので、随時アップデートしていく予定です。